残響とは室内で音を発生して、これを急に止めたとき後に残る響きをいう。この場合の音であるが、室内の音が定常状態に達するまで、十分長い時間―といってもせいぜい数秒程度でよいのだが―発生させることが必要で、拍手のような接続時間の短い音を発生したとき、あとに残る響きは厳密な意味では残響とはいわないでエコーと呼ぶ。残響は英語では reverberation 、カラオケで使用するリバーブユニットのリバーブはここに由来している。
「静けさ よい音 よい響き」/永田 穂 1986

2011年01月07日

サブウーファーの解説part.2|国内ブランドのSW製品

第二回|国内ブランドのSW製品


bass-photo.jpg

今回は国内メーカーから発売されているサブウーファー製品をご紹介します。

前回ではサブウーファーを理解するための基本的なことがらを見てきました。5.1chサラウンドを構成するサブウーファーは、なぜ必要なのか?低音だけを出すスピーカーは、どういった特徴を持つのか?こうした基本的な知識をふまえ、今回は実際に製品をみていきたいと思います。

ご紹介するのは、国内メーカー8社の全29機種です。それぞれ簡単な仕様表もつけてみました。記載事項は統一性を持たせるため、若干公表されている表記と異なる場合がありますが、本質的な相違はないようにしています。

また以下に記載する情報は、当記事を執筆した時点でのデータです。選んだ製品の基準は、メーカーWebサイトで存在が確認ができ、スペック情報の記載が十分なものを中心にしています。メーカーの紹介順序にも意味はありません


1.YAMAHA|ヤマハ(9機種)


yamaha-sc.png

明治時代から続く、ピアノなどの楽器メーカーとして伝統のある企業。

音楽に関係する製品・サービスのほか、ネットワーク周辺機器やソフトウェアの開発も。最近では、ネット経由で4人までの音楽セッションを可能にするソフトウェア(NETDUETTO β版)をリリースしている。

Soavo-900SW

soavo-900SW.jpg
価格 ¥189,000(希望小売価格)
形式 バスレフ型(A-YST II)
出力 600W(4Ω)
ユニット 25cm x1(防磁)
再生周波数帯域 18Hz ~ 160Hz(-10dB)
クロスオーバー 40Hz ~ 160Hz
外寸 W:410mm(幅)
H:457mm(高さ)
D:462mm(奥行)
重量 32.0kg
URL 製品情報ページ


NS-SW700

NS-SW700wood.jpg
価格 ¥74,550(希望小売価格)
¥80,850(color:BLACK)
形式 バスレフ型(A-YST II)
出力 300W(5Ω)
ユニット 25cm x1(防磁)
再生周波数帯域 20Hz ~ 160Hz(-10dB)
クロスオーバー 40Hz ~ 140Hz
外寸 W:406mm(幅)
H:445mm(高さ)
D:406mm(奥行)
重量 21.0kg
URL 製品情報ページ


NS-SW500

NS-SW500.jpg
価格 ¥55,650(希望小売価格)
形式 バスレフ型(A-YST II)
出力 250W(5Ω)
ユニット 25cm x1(防磁)
再生周波数帯域 20Hz ~ 160Hz(-10dB)
クロスオーバー 40Hz ~ 140Hz
外寸 W:380mm(幅)
H:368mm(高さ)
D:420mm(奥行)
重量 18.5kg
URL 製品情報ページ


NS-SW310

NS-SW310.jpg
価格 ¥36,750(希望小売価格)
形式 バスレフ型(A-YST II)
出力 130W(5Ω)
ユニット 20cm x1(防磁)
再生周波数帯域 26Hz ~ 160Hz(-10dB)
クロスオーバー 50Hz ~ 150Hz
外寸 W:200mm(幅)
H:473mm(高さ)
D:405mm(奥行)
重量 14.0kg
URL 製品情報ページ


YST-SW325

YST-SW325.jpg
価格 ¥39,900(希望小売価格)
形式 バスレフ型(A-YST II)
出力 150W(5Ω)
ユニット 20cm x1(防磁)
再生周波数帯域 25Hz ~ 180Hz(-10dB)
クロスオーバー 50Hz ~ 150Hz
外寸 W:315mm(幅)
H:380mm(高さ)
D:374mm(奥行)
重量 13.0kg
URL 製品情報ページ


YST-FSW150

YST-FSW150.jpg
価格 ¥27,300(希望小売価格)
形式 バスレフ型(A-YST II)
出力 75W(5Ω)
ユニット 16cm x1(防磁)
再生周波数帯域 30Hz ~ 160Hz(-10dB)
クロスオーバー 機能なし
外寸 W:435mm(幅)
H:151mm(高さ)
D:350mm(奥行)
重量 9.4kg
URL 製品情報ページ


YST-FSW050

YST-FSW050.jpg
価格 ¥22,050(希望小売価格)
形式 バスレフ型(A-YST II)
出力 50W(5Ω)
ユニット 16cm x1(防磁)
再生周波数帯域 35Hz ~ 160Hz(-10dB)
クロスオーバー 機能なし
外寸 W:350mm(幅)
H:163mm(高さ)
D:350mm(奥行)
重量 8.5kg
URL 製品情報ページ


NS-SW210

NS-SW210.jpg
価格 ¥21,000(希望小売価格)
形式 バスレフ型(A-YST II)
出力 50W(5Ω)
ユニット 16cm x1(防磁)
再生周波数帯域 30Hz ~ 160Hz
クロスオーバー 130Hz
外寸 W:166mm(幅)
H:450mm(高さ)
D:366mm(奥行)
重量 10.0kg
URL 製品情報ページ


YST-SW010

YST-SW010.jpg
価格 ¥13,125(希望小売価格)
形式 バスレフ型(A-YST)
出力 50W(5Ω)
ユニット 16cm x1(防磁)
再生周波数帯域 30Hz ~ 200Hz(-10dB)
クロスオーバー 130Hz
外寸 W:280mm(幅)
H:325mm(高さ)
D:293mm(奥行)
重量 8.5kg
URL 製品情報ページ


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2.Victor|ビクター(2機種)


victor-sc.png

昭和初期に「日本ビクター蓄音機株式会社」として設立。

レコードレーベルも持つ、映像音響機器メーカー。蓄音機をのぞきこむ犬のロゴでおなじみ。ビデオカメラ・ビデオプロジェクターの製品に優れ、またイヤーヘッドホンの音質は国産メーカーでは際立っている。他にウッドコーンのミニコンポなど。

SX-DW77

SX-DW77.jpg
価格 ¥238,000(希望小売価格)
形式 密閉型
出力 600W(2Ω)
ユニット 30cm x1(5層特殊ボイスコイル)
再生周波数帯域 16Hz ~ 250Hz
クロスオーバー 40Hz ~ 120Hz
外寸 W:390mm(幅)
H:390mm(高さ)
D:445mm(奥行)
重量 25.0kg
URL 製品情報ページ


SX-DW75

SX-DW75.jpg
※基本性能はSX-DW77と同じ
URL 製品情報ページ







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3.ONKYO|オンキョー(2機種)


onkyo-sc.png

社名に「音響」を冠し、長らく音響機器専門メーカーとして存続。

他の電機メーカーとの違いは、音響機器を専門としているところ。それは製品群をみてもわかる通り。最近でこそPC製品への進出もめざましいが、それでもこの企業の音への想いは伝わってくる。

SL-D500

SL-D500.gif
価格 ¥46,200(希望小売価格)
形式 バスレフ型
出力 100W(4Ω)
ユニット 20cm x1(A-OMFモノコックコーン)
再生周波数帯域 25Hz ~ 200Hz
クロスオーバー 50Hz ~ 200Hz
外寸 W:285mm(幅)
H:476mm(高さ)
D:447mm(奥行)
重量 19.0kg
URL 製品情報ページ


SL-A250

SL-A250.gif
価格 ¥31,500(希望小売価格)
形式 バスレフ型
出力 75W(5Ω)
ユニット 20cm x1(A-OMFモノコックコーン)
再生周波数帯域 27Hz ~ 200Hz
クロスオーバー 50Hz ~ 200Hz
外寸 W:255mm(幅)
H:403mm(高さ)
D:447mm(奥行)
重量 15.6kg
URL 製品情報ページ


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4.DENON|デノン(4機種)


denon-sc.png

録音機製造会社として発足し、日本の名門オーディオメーカーのひとつ。

昨年2010年10月で、100周年を迎えた。当時、国内で唯一録音機を製造していた会社として、終戦の「玉音放送」を録音したという。100周年を記念したサイトでは、より詳しいDENON社の歴史を知ることができる。

DSW-55SG

DSW-55SG.jpg
価格 ¥56,700(希望小売価格)
形式 バスレフ型
出力 110W(PEAK)
ユニット 20cm x1
再生周波数帯域 20Hz ~ 200Hz
クロスオーバー 50Hz ~ 200Hz
外寸 W:280mm(幅)
H:475mm(高さ)
D:390mm(奥行)
重量 16.6kg
URL 製品情報ページ


DSW-33SG

DSW-33SG.jpg
価格 ¥37,800(希望小売価格)
形式 バスレフ型
出力 80W(PEAK)
ユニット 16cm x1
再生周波数帯域 25Hz ~ 200Hz
クロスオーバー 50Hz ~ 200Hz
外寸 W:250mm(幅)
H:396mm(高さ)
D:390mm(奥行)
重量 12.0kg
URL 製品情報ページ


DSW-300SG

DSW-300SG.jpg
価格 ¥33,600(希望小売価格)
形式 バスレフ型
出力 100W(PEAK)
ユニット 16cm x1
再生周波数帯域 20Hz ~ 150Hz
クロスオーバー 機能なし
外寸 W:225mm(幅)
H:370mm(高さ)
D:390mm(奥行)
重量 11.0kg
URL 製品情報ページ


DSW-7L2

DSW-7L2.jpg
価格 ¥57,750(希望小売価格)
形式 バスレフ型
出力 110W(PEAK)
ユニット 13cm x1
再生周波数帯域 30Hz ~ 200Hz
クロスオーバー 機能なし
外寸 W:220mm(幅)
H:510mm(高さ)
D:380mm(奥行)
重量 12.8kg
URL 製品情報ページ


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5.ECLIPSE|イクリプス(2機種)


eclipse-sc.png

富士通(株)より分離設立された富士通TENが展開するブランド。

カーオーディオ分野では、ECLIPSEブランドで非常に知名度が高い。また"タイムドメイン理論"を採用した、高級オーディオ製品群を持ち、その性能は世界で評価を受けている。

TD725sw

TD725sw.jpg
価格 ¥441,000(希望小売価格)
形式 密閉型(水平背面対向式フロア型)
出力 500W(T.H.D.1%)
ユニット 25cm x2
再生周波数帯域 20Hz ~ 200Hz
クロスオーバー 40Hz ~ 200Hz
外寸 W:517mm(幅)
H:473mm(高さ)
D:503mm(奥行)
重量 42.4kg
URL 製品情報ページ


316SW

316SW.jpg
価格 ¥84,000(希望小売価格)
形式
出力 30W x2(T.H.D.O.2%)
ユニット 16cm x1(デュアルボイスコイル)
再生周波数帯域 40Hz ~ 200Hz
クロスオーバー 40Hz ~ 200Hz
外寸 W:236mm(幅)
H:354mm(高さ)
D:301mm(奥行)
重量 16.2kg
URL 製品情報ページ


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6.FOSTEX|フォステクス(2機種)


fostex-sc.png

スピーカーとその関連部品を中心とする音響機器製造会社。

豊富な種類のスピーカーユニットを単体で販売している唯一の日本企業。DIYオーディオの方面では知らない人はいない。iPodのイヤホンを単独OEM製造するなど、近年のその活躍ぶりは株価にも表れている。

CW250A

CW250A.jpg
価格 ¥79,800(標準価格)
形式 密閉型
出力 300W
ユニット 25cm x1
再生周波数帯域 不明
クロスオーバー 40Hz ~ 140Hz
外寸 不明
重量 不明
URL 製品情報ページ


CW200A

CW200A.jpg
価格 ¥39,800(標準価格)
形式 密閉型(アコースティック・サスペンション)
出力 110W
ユニット 20cm x1(簡易防磁型)
再生周波数帯域 不明
クロスオーバー 50Hz ~ 150Hz
外寸 W:300mm(幅)
H:320mm(高さ)
D:390mm(奥行)
重量 15.5kg
URL 製品情報ページ


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7.Pioneer|パイオニア(5機種)


pioneer-sc.png

日本を代表する音響機器メーカーのひとつで、1938年に創業。

惜しまれつつも撤退したプラズマテレビでは、圧倒的に美麗な"KURO"ブランドを有した。また高級オーディオラインのTAD、カーオーディオのcarrozzeria、デジタルDJ機器などに定評がある。

S-W1EX

S-W1EX.jpg
価格 ¥252,000(標準価格)
形式 パッシブラジエーター方式
出力 250W(4Ω)
ユニット 30cm x1
30cm(パッシブラジエーター)x1
再生周波数帯域 25Hz ~ 4kHz(バイパス時)
クロスオーバー 50Hz ~ 150Hz
外寸 W:430mm(幅)
H:480mm(高さ)
D:430mm(奥行)
重量 34.5kg
URL 製品情報ページ


S-LX70W

S-LX70W.jpg
価格 ¥200,000(標準価格)
形式 密閉型
出力 300W(4Ω)
ユニット 30cm x1
再生周波数帯域 25Hz ~ 4kHz(バイパス時)
クロスオーバー 50Hz ~ 200Hz
外寸 W:362mm(幅)
H:365mm(高さ)
D:375mm(奥行)
重量 18.2kg
URL 製品情報ページ


S-71W

S-71W.jpg
価格 ¥100,000(標準価格)
形式 位相反転式フロア型
出力 160W(6Ω)
ユニット 25cm x1
再生周波数帯域 26Hz ~ 1000Hz
クロスオーバー 機能なし
外寸 W:372mm(幅)
H:394mm(高さ)
D:412mm(奥行)
重量 19.3kg
URL 製品情報ページ


S-51W

S-51W.jpg
価格 ¥49,000(標準価格)
形式 位相反転式フロア型
出力 150W(6Ω)
ユニット 20cm x1
再生周波数帯域 26Hz ~ 900Hz
クロスオーバー 機能なし
外寸 W:360mm(幅)
H:382mm(高さ)
D:360mm(奥行)
重量 13.5kg
URL 製品情報ページ


S-HS100

S-HS100.jpg
価格 ¥23,800(標準価格)
形式 位相反転式フロア型
出力 100W(4Ω)
ユニット 16cm x1
再生周波数帯域 33Hz ~ 700Hz
クロスオーバー 機能なし
外寸 W:230mm(幅)
H:408mm(高さ)
D:344mm(奥行)
重量 6.5kg
URL 製品情報ページ


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8.KENWOOD|ケンウッド(2機種)


kenwood-sc.png

戦後まもなく、通信・無線機器製造会社として創業。

海外ではMade in Japanとして非常に認知度が高く、KENWOODのロゴをあちこちで見かける。カーエレクトロニクスにも強く、また無線通信機器の種類は豊富。民生用ではシステムコンポ、レコードプレーヤーなど。

SW-508ES-M

SW-508ES-M.jpg
価格 ¥37,800(希望小売価格)
形式 バスレフ型
出力 150W(75W + 75W/6Ω)
ユニット 16cm x2
再生周波数帯域 30Hz ~ 800Hz(ターンオーバーオフ時)
クロスオーバー 機能なし
外寸 W:219mm(幅)
H:439mm(高さ)
D:392mm(奥行)
重量 14.5kg
URL 製品情報ページ


SW-40HT

SW-40HT.jpg
価格 オープン価格(最安価格 ¥13,114 by価格.com)
形式 バスレフ型
出力 100W(6Ω)
ユニット 16cm x1
再生周波数帯域 35Hz ~ 200Hz(ターンオーバーオフ時)
クロスオーバー 機能なし
外寸 W:215mm(幅)
H:350mm(高さ)
D:342mm(奥行)
重量 9.7kg
URL 製品情報ページ



△ KENWOODのトップへ戻る △


まとめ

国内メーカーだけでも、かなりの種類の製品があることがわかります。今回はパッケージ商品をはずしていますから、実際にはもう少し選択肢が増えるかと思います。

製品ごとの仕様表で記載した項目は、ごく一部です。より詳しい情報は、ぜひメーカーサイトでご確認ください。もっともっと興味が湧いてくるはずです。また当ブログでは、オーディオ初心者も読者におられますから、連載第四回でテクニカルな用語を改めて解説したいと思います。「これはどういう意味?」といった用語が出ているかもしれませんが、今はとりあえず気にせずにいてください。

次回は、海外ブランドの製品を一気にご紹介したいと思います。サブウーファーと言っても、色んな製品があるんだということがおわかり頂ければ幸甚です。
written by Kyo_Yamada
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posted by HCA at 12:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホームシアター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年12月25日

サブウーファーの解説part.1 | サブウーファーの基本知識

第一回 | サブウーファーの基本知識


woofer.jpg

ホームシアターの音響で、特に重要な「サブウーファー」について解説します。
第一回目は「サブウーファーについての基本知識」です。なぜサブウーファーが必要なのか、そもそも"ウーファー"とは何か、それらを知るためには、オーディオの基本を学ぶ必要があります。オーディオ→ホームシアターという流れを経験していない方のために、入門編としてわかりやすく解説します。

全4回連載で、次回は実際に販売されている製品のまとめを予定しています。


1.オーディオの基本

冒頭でも述べた通り、優れた音響のホームシアターを実現するためには、オーディオを含めた音響理論を理解しておくべきです。
世間でオーディオが廃れてから数年が経っていますから、比較的若い世代の人たちがオーディオのことを知らないのも無理のないことです。例えば、「ウーファー」と「スピーカー」をほぼ同義の単語として運用している人も多くいます。というより、わたしの年代では既に「オーディオ」という単語が死語、というか通じません。余談ですが、仕事の説明をするときに「オーディオとかやってるよ」と言っても理解されないので、「スピーカーとかそういうの」と最近では言ったりします。

以下ではオーディオの基本を簡単に説明します。
かなり初歩的な部分ですから、「オーディオ」と「スピーカー」の区別ができる方は読み飛ばしても問題ありません。


a. スピーカーから音が再生される仕組み
オーディオ再生の基本的な構成は、「プレイヤー」「アンプ」「スピーカー」の3つです。まず、プレイヤーは音源(ソース)を電気信号に変えてくれます。その信号は小さいので、アンプという機械で大きくしてあげます。信号が十分な大きさになったところで、スピーカーへ送ります。すると、スピーカーのユニットが揺れて音が出てきます。ホームシアターの接続でよくつまずく原因が、こうしたオーディオの仕組みの理解不足です。電気信号などと言うと取っ付きにくいのですが、車に喩えて「プレイヤー=アクセルペダル」「アンプ=エンジン」「スピーカー=タイヤ」ぐらいに覚えておくと良いかもしれません。最近ではこれが全部一緒になって、電話やゲームができるものもあります。

audio-sys.png


b. サブウーファーとウーファーの違い
「ウーファー」とは、"スピーカーを構成する「ユニット」の名前(種類)”です。ユニットとはスピーカーについている丸いやつですね。これにも種類があって、大きく高・中・低音用に、それぞれ「ツィーター」「スコーカー」「ウーファー」と言います。このユニットを集めて箱にとりつけて一体化させたものが、「スピーカー(システム)」です。なので、低音用ユニットの呼称である「ウーファー」と、低音用スピーカーの「サブウーファー」は別物であるということがわかると思います。通常のスピーカーの低音を補助するために、助っ人的にいるので「サブ」なんですね。

speaker-sys.png


c. 5.1chとかサラウンドって?
ホームシアターの普及にともない、「サラウンド」という言葉が一般にも広まりました。「サブウーファー」もこの時に一緒に広まっていくのですが、それはなぜかと言うと、よく使われるサラウンドシステムの中に、「サブウーファーをいれましょう」という決まりがあったからです。当初はサラウンドといえば5.1chが主流だったので、「サラウンド = 5.1ch」という認識が強いのですが、「5.1ch」と「サラウンド」を混同してはいけません。
よく耳にする「5.1ch」は、「5つのスピーカーと1つのサブウーファー」という意味です。スピーカーが7つなら「7.1ch」ですし、例えばスクリーンの横にスピーカーを2つ置いて、低音用にサブウーファーというシステムでは、「2.1ch」と表記します。これは厳密には「サラウンド(英surround = 取り囲む)」ではありませんが、後ろの方へ音を回りこませる技術を採用しているメーカーも中にはあります。

surround-5.1ch.png



ホームシアターもオーディオも物理的な空気の運動を電気信号に変えて、また戻すという作業をしています。これが電気音響の基礎です。なぜブルーレイプレイヤーやアンプ、スピーカーが必要なのか。こうした原理を理解しておくと、これからのホームシアター生活が幸せになります(経験者談)。
以下に、そうした電気音響の基礎的な部分がよくわかる文章を引用しておきます。



"音の利用がさかんになった原因は、音を電気の形に変え、それを別な所に再生することができるようになったことであろう。簡単にいえば音が電気と結びついたからである。"

"音を電気の形に変え、またもとの音にもどす装置をはじめて考えたのはベル(Alexander Graham Bell, 1876)であって、これが電話のはじめであり、また電気補聴器の元祖でもある。"
出典:「電気音響振動学」西巻正郎 1960



2.サブウーファーとは?

映画の鑑賞が、映画館から家庭内へともちこまれ、普通の音楽なら必要なかったような重低音が求められるようになりました。
ホームシアターが始まる前から、オーディオマニア向けに低音専用のスピーカーは存在していました。それは以下でも説明するように、映画音響の再生が目的ではありません。最近ではサブウーファーというと、ホームシアターシステムの低音増強を目的としたものが一般的です。たまに「スーパーウーファー」と言われることがありますが、元はYAMAHAの商品名だったそうで、日本独特の言い方です。「サブウーファー」と意味の違いはありません。

では実際のサブウーファーの役割などを説明します。


a. 低音の効果
上でも触れたように、ホームシアター以前でもサブウーファーは存在していました。では、なぜ低音の補強が必要だったのでしょうか。ひとつには、パイプオルガンのように非常に低い音を奏でる楽器を再生する場合。もうひとつは、例えばクラシックのコンサートを再生するとき、楽器から出る低音だけを再生するなら、大した低音は必要ありませんが、そこへ非常に低い音を含めることで、間違いなく振動しているであろう、会場をいっぱいに満たす空気の気配を再現することができます。こうした理由から、ホームシアター以前の純粋なオーディオ用にも、サブウーファーは存在していました。もちろん、こうした距離感や気配を再現するメリットは、ホームシアターにも当てはまります。

low-sound.png


b. 低音だけ独立させた理由
1つのスピーカーで全部やるより、役割を分けてまおうというのが、サブウーファーのそもそもの発想です。高い音は小さなスピーカーユニットでも再生が可能ですが、低い音を再生するには、実は大きなスピーカーユニットが必要です。しかし一般的な商品としては、設計・コスト的にも、搭載するユニットの性能に限界があります。そこで、通常使用のスピーカーで再生可能な低音を超えた部分は、サブウーファーに任せようというわけです。通常のスピーカーからも低音は出ているので、それを「サブ」として補助してやるのが、サブウーファーの役割です。また低音の担当を専用に独立させることで、低音再生に余裕をもたせることができます。

hojo.png


c. サブウーファーの注意点
サブウーファーを設置するメリットは低音の増強ですが、注意点は何があるでしょうか。まずは騒音問題が挙げられると思います。遮音が十分でない住居では、低音のボリュームコントロールが大切です。実はこの「低音のコントロール」が一番難しいところです。騒音問題の解決が目的であれば、サブウーファーを切ってしまえば良いのですが、問題は低音をおもいっきり出す時です。正直まともにこの低音のコントロールができる人は、われわれ専門業者でも少ないと思います。少し専門的ですが、低音というのはその物理特性上、ほかの周波数帯の音波とはとりあつかいが異なってきます。ちょっと音響のことを知っている人であれば、位相の問題、マスキング効果、定在波など、低音がだせるほど、気を使うことが多くなることは、容易に想像できるでしょう。
設置ができても調整ができない専門業者もいるぐらいですから、通販でシステムを揃えようとお考えの方は十分に気をつけて欲しいところです。商品を買ってきて接続するぐらいなら誰でもできるので(最近では自動音場補正もある)、逆にそれだけのために専門業者に高いお金を払うことはありません。



3.サブウーファーの種類

AV機器ではサブウーファーのことを「SW」と表記するのが一般的です。「Sub Woofer」の略ですね。またサブウーファーには「アクティブ型」「パワード型」「パッシブ型」など、様々な仕様があります。次回は各メーカーの商品を紹介する予定ですので、その前に少し専門知識を頭にいれておきましょう。

sw.jpg



a. アンプ内蔵のサブウーファー
「アクティブ型」「パワード型」と言われるサブウーファーがあります。それぞれ「英active = 活動的な」「英powered = 動力付きの」と言う意味から、アンプが内蔵されたサブウーファーです。「パッシブ型」は「英passive = 受身の」で、アンプは内蔵されず、要するに普通のスピーカーと同じです。不思議に思われるのは、"なぜアンプを入れるの?”という点だと思います。最初にお話ししたように、低音を出すには大きなユニットでたくさんの空気を押し出す必要があります。当然空気の抵抗が大きいので、大きなパワーがいります(車のエンジンでいう馬力)。そこで、普通のアンプでパワー不足にならないよう、特別に出力の大きいアンプを専用に持っているのが、このアンプ内蔵型です。スピーカーとアンプが一緒になっているので、あとは信号があれば良いということになります。

b. 低音をうまく再生する工夫
市販されているサブウーファーには、大きく2つの箱(エンクロージャー)の種類があります。まず「密閉型」です。これはユニットの背面を完全に密閉し、後ろから音が漏れないようにしています。実はユニットの正面から音が放射されるのと同じように、後ろからも音が出ています。しかしこの音は音質的に良くない成分があるため、閉じ込めてしまおうという発想です。これと逆の発想をしているのが「バスレフ型」で、せっかく出ている背面の音を使ってやろうという仕組みです。箱の中から音が表へ出てくる過程で、「バスレフポート」という音の通り道を用意し、そこで音を共鳴させて低音を増幅させています。大きなユニットが原理的に必要なサブウーファーも、これにより驚くほど豊かな低音を、比較的小さなユニットで再生することが可能になります。こうした仕組みにより簡単に低音が再生できるため、サブウーファーでは「バスレフ型」が多いようです。

bd1-hp.png
密閉型サブウーファーのB&W DB-1


c. サブウーファーの設置場所
スピーカーには、音が聴こえる(聴こえやすい)範囲があります。これを「指向性」と言います。一般的な常識として、低域の音は無視できる程度の指向性だと言われます。つまり、スピーカーのどの方向から音を聴いてもほとんど一緒だと言うことです。ですから、サブウーファーは部屋の隅に置いたりと、他のスピーカーのように厳密に聴こえやすい位置を決める必要がありません。ただし、低音は周囲のものを振動させますから、例えば棚の上やラックの中に無造作に置くことはできません。音も広がりやすく、壁の近くに設置すると音の反射が大きくなります。また床に直接置くと階下への騒音の原因にもなるため、適切な設置方法が求められます。
と、これがあくまで一般的な常識として知られていることです。しかし弊社としては、低音の指向性は厳密にはありますし、これを無視したホームシアターはありえないと考えています。これについては、次回以降で詳しくお話しいたします。


まとめ


サブウーファーについて全く知らなかった人も、これだけ知ってれば大丈夫!

  • ・「サブウーファー」とは低音専用のスピーカー
  • ・低音を出すには大きなユニットが必要
  • ・普通のスピーカーでは足りない低音を補助できる
  • ・「サブウーファー」があると迫力がでるけど、なくてもよい
  • ・「5.1ch」はサラウンドの決まりごとのひとつ
  • ・「5.1ch」の「0.1」はサブウーファーのこと
  • ・低音には空間の大きさを再現する効果もある
  • ・低音専用のアンプが内蔵されたタイプがある
  • ・低音はむしろ出せるほうがやっかいである


今回は入門編を意識した内容にしました。次回は、国内/海外の製品をとりあげて具体的に見ていきたいと思います。さらに回を重ねるごとに詳しい解説をしていきたいと考えています。

これらの記事が、製品選びの参考になれば幸いです。

written by Kyo_Yamada
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2010年12月09日

【翻訳記事】ワイヤレスサラウンドへの助言

Help with Wireless Surround Speakers
米国[ELECTRONIC HOUSE]の記事を紹介します。

SC-help-wireless.png

ELECTRONIC HOUSE: Help with Wireless Surround Speakers
[By Grant Clauser]


海外のサイトで、「リアスピーカーを設置したいが、壁がない」というユーザーの相談が掲載されていました。ワイヤレスのサラウンドスピーカーを利用して解決するつもりだと相談するのですが、アドバイザーが冷静にワイヤレスの実現性や、質問者の要求とのギャップを指摘していて、面白いです。

以下は原文の後半を意訳したものです。(見出しは訳者による)




Ask a pro|インストールのプロに質問


質問:うしろに壁がないのですが・・・
現在、DENON AVR-2310CIを使って5.1chを設置しています。そこへ新たに2つのサラウンドスピーカーを追加して、7.1chにしたいです。問題は、リアの場所がオープンキッチンのため、スピーカーのケーブルを壁の内側のように這わせる場所がないことです。このレシーバーに接続できる、なにか良いワイヤレスサラウンドスピーカーを提案頂けないでしょうか?


Electronic Houseの回答:

もしあなたが完全にワイヤーのないソリューションを探しているなら、それに対する回答は「ノー」です。なぜなら、すべてのワイヤレススピーカーは、依然として「電源」が必要だからです。ここで言う「電源」とは、ほとんどの場合がAC電源プラグの接続のことです。したがって、そのワイヤレスレシーバーからは、スピーカーケーブルを這わせることになるでしょう。もし台座にスピーカーを載せることがあなたの美意識上問題なければ、ですが。それでもまだ「スピーカーケーブルが部屋の後ろを走る」というあなたのトラブルを解決したいと言うなら、いくつかオプションがあります。それは、あなたのDENONに接続されたトランスミッターを用意し、ワイヤレスアンプレシーバーをサラウンドスピーカーに接続する、というものなどです。



あなたの背面に壁がなく、キッチンのために開放されたスペースであるのなら、やはりトランシーバーへの電源供給を探す時に、トラブルを抱えるでしょう。また、あなたが床下の部分へでもいこうとしない限り、ワイヤレスレシーバーからのスピーカーケーブルがフロアを横切ります。



kef-wireless.png



いくつかのメーカーが、ワイヤレスのトランシーバー/レシーバーのパッケージ商品をつくっています。だいたいのものが2.4GHz伝送です。それぞれのシステムのレシーバー部分には、スピーカー1、2個分のアンプが内蔵されています。そのワイヤレスシステムのアンプは、あなたのDENONレシーバーと同じパワフルさはないです。KEF Wireless Systemは、わたしが過去に使ったことのある1つですが、結構いい音です。(電波などの)干渉に対して信号を安定させるための、"frequency hopping technology" *1が搭載されています。



PolkのF/Xは独立したスピーカーボックスで、4つのフルレンジ・ドライバーと5.25インチのウーファーを搭載しています。このユニットはサラウンドスピーカーの置き換え用にデザインされています、後ろの壁用ではありません(側壁に反響させます)。SoundcastのSurroundcastは、トランスミッターとアンプレシーバー(25W x2)を内蔵しています。やっぱりあなたは電源を探し、2つのスピーカーへレシーバーからケーブルをはわせなければなりません。



JBLのWEM-1のワイヤレススピーカーキットは、Soundcastと同じような働きをしますが、50W x2です。JBLはトランスミッター付属のキットや、スピーカーがレシーバーにビルトインされた製品も販売していますが、でも1チャンネルにつき15Wだし、たぶんあなたの要求に対してはパワー不足でしょう。



わたしの考えるワイヤレスに代わるオプションとしては、インシーリング(天井埋込み)スピーカーでしょう。これであれば、あなたはワイヤー接続できて、しかもメディアルームとキッチンの間の開放的な空間を何者にも阻害されません。少しインストールに手間がいりますが、まあこれがいいでしょう。ここで探せます。(リンク:米国のインストーラーリストへジャンプします)





*1 本家サイトを見てもあまりよくわからないが、AAFHSS (Advanced Frequency Hopping Spread Spectrum)とのこと。ちなみに "frequency=周波数" "hopping=ぴょんぴょん飛ぶ"の意味。

Written by Kyo_Yamada
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