2011年02月05日

サブウーファーの解説part.5|弊社のサブウーファー

最終回|弊社のサブウーファー設置例


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image by weegeebored

今回は弊社ショールームのシステムをご紹介いたします。

弊社はホームシアター施工会社として、「ホームシアターってここまでできるんだ」というシステムを構成しました。
例えばサブウーファーは非常に大口径のウーファーを壁に埋め込んで使っています。一般家庭では難しいかもしれませんが、無理ではありません。ホームシアターでもここまでできます。

正直申し上げまして、ヨドバシカメラで売っている製品をリビングに置くだけの施工は誰でもできます。プロジェクターの天吊は大工さんでもできます。
我々がホームシアターインストーラーと名乗れるのは、音響技術がないと絶対にできない施工をするからです。知識と在庫ぐらいは、ネットと家電量販店で十分です。お客様がご要望された時に、自作でサブウーファーを作れるのが「技術」です。お客様が本当に期待されているのは、そこではないでしょうか。

今回の記事では、弊社のやり方が一番だとかそういうのではなく、ホームシアターシステムの一つのモデルケースと捉えて頂ければと思います。その上で、私が感じているこのシステムの音響的メリットや、インプレッションをご紹介できればと思います。


・視聴室構成(約30u)
<映像機器>
JVC DLA-X7
Stewart HD130(150インチ)

<スピーカーシステム>
JBL Control 322C x3(フロント/センター)
ElectroVoice 30W x2(サブウーファー)
ASCENDO System K x1pair(リア)

<プレイヤー/アンプ>
Marantz UD9004
Pioneer BDP-LX54
DENON AVP-A1HD
DENON POA-A1HD



なぜダブルサブウーファーなのか?


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・AVアンプにSW出力が3chある
ショールームの視聴室をリニューアルした際に、真っ先に決めたのがダブルサブウーファーでした。

現在、弊社の視聴室ではDENON社のAVP-A1HDを展示しています。同社の高級機である本機には、サブウーファー用の出力が3ch搭載されています。
つまりサブウーファーを3つまで接続でき、設置できるということです。

「5.1ch」という言葉はよく知られていますが、サブウーファーは1つでなくとも構いません。映画ソース自体にはサブウーファー音声は1chで収録されており、それをアンプで割り振っています。

注意して欲しいのは、この場合アンプ側のサブウーファー出力1chに、2つないし3つのサブウーファーを無理に繋いでいるわけではないことです。

ちなみにTHX.comには、次のように書かれています。
Subwoofer (Sub): There are a few variations for subwoofer placement, depending on how many subwoofers you have in your room. If you have four subs, place one in the middle of each wall. If you have two, put them in the middle of opposing walls. If you have one, place it in the middle of the front wall.

サブウーファーの設置には、あなたがいくつのサブウーファーを持っているかによってバリエーションがあります。もしサブウーファーが4つなら、それぞれの壁の中央に一つずつ置いてください。もし2つなら、対面する壁の中央に置いてください。1つであれば、正面壁の中央にそれを置いてください。

7.1 Surround Sound Speaker System Set Up


・大口径ウーファーと壁埋込み
上記では各壁に配置するとありますが、弊社ではフロントに2つ設置しました。これは後述する壁面埋込みのスピーカーシステムを予定していたためです。

ちょうどタイミング良く、弊社の伝手でデッドストックのEV 30Wが2つありました。ユニット単体でしたのでエンクロージャーもなく、壁面への埋込みにはもってこいでした。

また正面の壁側には、ユニット背面に必要な空間を設ける余裕がありました。写真で見えている(ユニットが付いている)壁の裏には、建物の外壁、つまり本当の壁があり、その間の空間をユニット背面の空気層として利用しています。

"超"とつけてもいい大型ウーファーが裸で2つあり、アンプもマルチサブウーファーがサポートされている。(機器の条件)

左右の両隣を部屋で挟まれているものの、部屋の奥行には余裕がある。(建物の条件)

こうした条件や経緯で、ダブルサブウーファーができあがりました。


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施工時の様子。内部には吸音材をアトランダムに設置した。

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B&W800Diamondと並べた様子。


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ウーファーの大きさがわかる。


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EVの口径は78cm、B&Wは25cm。


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フロント/センターは業務用のJBL Control 322C






壁埋込みのメリットとデメリット


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国内のホームシアター施工では、あまり壁に埋め込むシステムは見ないようです。実際、壁埋込みには一般的にデメリットが多いのが理由です。

もちろんメリットも高いです。ここではそれぞれメリットとデメリットを整理してみましょう。

この章では、サブウーファーの話題からは少し逸れてしまいますが、壁埋込みというアイデアをもっと知ってもらえればと思います。

できるだけフェアに比較したいので、メリット/デメリットをそれぞれ一緒に見ていきます。3つにまとめています。

1. スクリーンを大きくできる/スクリーンが高価
なんと言っても壁にスピーカーを埋め込むので、スクリーンを壁いっぱいに設置できます。左右にフロントスピーカーを置かなくても済むため、ホームシアターの醍醐味である大画面を純粋に楽しめます。
そして、なぜかあまり言われていないのですが、スクリーンの高さ位置はとても重要なポイントです。壁埋込みではセンタースピーカーを床置きしないで済むため、床ぎりぎりまでスクリーンを降ろすことができます。
面白いことに、映像が床に近いと作品へののめり込み度も高くなります。視線を上げなくて済むからなのでしょうか・・。

しかし、壁埋込みのスピーカーはサウンドスクリーンの導入が前提となります。
スピーカーの前にスクリーンが降りてくる壁埋込みでは、スクリーンに細かい穴が開いたサウンドスクリーンでないといけません。そして一般的にサウンドスクリーンは普通のスクリーンよりも高価です。
一昔前はサウンドスクリーンと言えばアメリカのStewart社のものぐらいしかなく、価格は100万円オーバーが普通でした(品質は最高!)。現在は国内メーカーも販売しており、手も出しやすくなっています。

EASTON株式会社オーエス)/E2S
NAVIOナビオ株式会社)/スクリーン生地について


2. 業務用ユニットが使える/壁厚がふえる
弊社のショールームではJBL Control 322Cを使用しています。商品のメーカーサイトを見て頂いてもわかる通り、本来は天井に埋め込むスピーカーを壁に埋め込んで使用しています。
改めて言うこともないのですが、既製品のスピーカーというのはユニット以外にも様々な部品を使って構成されています。その部品の組立や梱包には人件費もかかっています。
Control 322Cのような業務用製品は、見栄えこそ良くないものの、製品のコストは限りなくその品質に投入されています。
従って、コスト/パフォーマンスの効率が良いと私たちは考えています。

JBLにはControl 100 Seriesのように壁埋込み用の製品もあります。
Control 322Cと大きく異なるのは、こちらのほうが壁が薄くても取付可能ということです。
それにしても、こうしたスピーカー製品を壁に埋め込むからには少なからず壁に厚みが必要で、その分部屋の面積が減ってしまうのがデメリットです。
フロントの壁厚が増えるということは、必然的にプロジェクターの投射距離および視聴位置に影響があるため、施工が難しいことが多いです。


3. 部屋の中がすっきりする/改造が難しい
部屋がすっきりすると掃除が楽だ・・とかそういうのではなく、映画鑑賞時に余計なものが視界に入りません。
プロジェクターで投映するとどうしても気になるのが、光の映り込みです。単純にスピーカーなどの姿が見えるだけでなく、光が反射したりするのは良いものではありません。
また個人差はあるものの、やはり映像だけが目に飛び込んでくるのが良いと思いますし、かなり病みつきになって他は見れなくなります。

長い時間をかけて、アンプやプレーヤー、それからプロジェクターを高級なものに買い換えていきたい人にとっては、埋込みスピーカーはあまりお薦めできません。
オーディオの趣味は限度がありませんから、もっと良くしたいという欲は尽きません。しかもスピーカーだけならまだしも、Blu-rayだっていつまで続くかわかりません。
いつかは新しいプレーヤーやアンプを買うことになります。(その点スピーカーは安心ですが・・)
また中古で転売できないことも、正直にデメリットとして申し上げておきます。


本格派スタイルを求めるひとへ
そもそもの映画館がサウンドスクリーンですから、サウンドスクリーンの採用をお薦めしたいお客様というのは、必然的に本格志向の方になってしまいます。

もちろんリビングシアターでも埋込みのメリットはあります。特にスクリーンに映る役者の口元からセリフが聴こえてくるのはサウンドスクリーンだけですから。

弊社ではサウンドスクリーンの価格面でのデメリットを、最小限に抑えるノウハウは持っています。あまりバラしたくないので、この辺で・・。


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スクリーン裏は反射光対策で漆黒に。


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壁の長尺を最大限に利用できる。


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センタースピーカーが埋込みのため、床面近くまでスクリーンが降りる。


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視界には画面がいっぱいに広がります。


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スクリーンの裏側にユニットがある状態です。






壁面バッフルでは吸音が必要


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・映画視聴ではデッド(残響がない)気味に調音する
ルームアコースティックという言葉をご存知でしょうか。室内の音の聴こえを調整することですが、ここでは簡単に調音と言います。

弊社ショールームでは、正面壁に吸音材を設置して調音しています。また正面壁に近い天井にも、光と音の反射を防ぐ工夫をしています。。
ユニットを壁に埋め込んだ場合、その壁面はすべてがバッフル面の役割をはたします。吸音無しの状態では少し反射がきつかったので、ここでは吸音材を設置しました。
これは2chのステレオ再生時にも効果を発揮しています。

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スクリーンが上がった状態でも見た目がすっきりします。

・壁面バッフルで気をつけること
通常のスピーカーを配置する場合、ユニットから輻射された音は、回折効果によりスピーカー後方へも音が回り込みます。
こうした音の通り道は、既製品の場合はメーカーがバッフル面の設計などで調整してくれていますから、そこまで神経を使う必要はないでしょう。
ところが弊社のようにバッフル面の上下左右の端が天井・床・壁へと接続されている場合、音は逃げ道がありません。従って、音は回折することなく、前面へと向かっていきます。

これがシアターのように大音量になってくると、自然と反射音が錯綜してきます。これにより音の定位の乱れや、遅延といった問題が引き起こされます。

吸音材で音を吸収してあげることで、かなりこれは解決されました。左右の壁は内装材にクロスを使っているので、良い反射音を得られているのでそのままにしています。
あまりデッド(残響がない)状態にし過ぎると、音の広がり感がなくなるので、この辺りは聴感での調整が必要でしょう。

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十分な厚さを持たせています。


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スピーカーユニットの面は避けています。



・吸音パネルの造作
吸音材には、弊社独自の吸音ウレタンを使用しています。通常のウレタンと異なり、吸音特性に特化したもので、非常に効果の高いものです。
上の写真のように、取り外し可能なパネルに吸音材をつけています。ユニットがあるところはサランネットだけがある状態です。
パネルは木枠で組んでおり、壁面にはマジックテープで接着しています。

写真上では紫に写っていますが、実際は黒色です。

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吸音パネルは取り外し可能。


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これを全面に取り付けています。






まとめ

さて、サブウーファーについての連載の最後に弊社ショールームをご覧頂きました。マルチサブウーファーでシステムを組んでる例はあまり見かけないので、ひとつ参考にして頂ければと思います。

ところで壁埋込みのスピーカーでサブウーファーを実践している方はどれぐらいいらっしゃるのでしょうか。
もしご存知の方がおられましたら、ぜひご紹介してほしいです。

サブウーファーが2つというのは、賛否両論あるところですが、今のところは聴感上問題はないです。
色んなやり方があるほうが、見てるほうとしては楽しいですよね。

もしこのブログの読者の方で、これからホームシアターをやろうと思ってる方は、ぜひ色んな設置例を研究なさると良いと思います。
だいたいのホームシアター屋は、無料で相談にのってくれると思います。

「店頭に行くと "売らんかな" が心配・・」という人は、メールや電話で相談してみるのもいいですよ。弊社でもメールで遠方の方からよく相談を頂きます。
「ホームシアターを考えているんですが・・」という方ではなく、「これとこれを使ってるんですが、どうやれば低音が聴こえやすくなりますか?」みたいな質問が多いです。結構みなさん、お悩みの方が多いようです。

ホームシアターの低音の取り扱いは、ご自身の満足度以外にも、騒音というやっかいな問題もあります。
ぜひこれまでのサブウーファーの記事も読み返して頂き、さらに詳しいご質問をメールや電話で頂ければと思います。


DSC_9857.jpg

弊社ではJVC DLA-X7も展示しています。

written by Kyo_Yamada
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posted by HCA at 18:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | ホームシアター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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